『アイドルマスター シンデレラガールズ』第20話感想(8/31追記)

今回で一気に物語が動き始めました。プロデューサー主導の「CINDERELLA PROJECT」に対するものとして、美城常務主導の「Project Krone」が発表されました。

 

 

お姫様にはガラスの靴を、もしくは王冠を

さて、まずはKroneという言葉の意味を調べてみますと、

クローネは、ドイツ語・デンマーク語・ノルウェー語で「王冠」を意味する。英語のクラウン (crown)、ラテン語のコロナ (corona) にあたる。

クローネ - Wikipedia

と書かれています。CPとは名前からして正反対の印象。「お城のようなきらびやかさ」を持ったメンバーが選抜され、これからの346プロダクションのイメージ戦略の中核を担うプロジェクトだとされたこの計画。メンバーには先週からアニメに登場していた速水奏、塩見周子、宮本フレデリカに加え、鷺沢文香、大槻唯、橘ありす、北条加蓮神谷奈緒、そして渋谷凛、アナスタシアが選ばれています。

 

 

美城常務がしぶりんとアーニャを引き抜くことを通達した際、反論するプロデューサーに「アイドルの自主性を大切にするのが君のやり方では?」とプロデューサー自身の言葉を使って切り返していたのが印象的でした。嫌な奴だとは思いますが、美城常務は魅力的な人物であるということには誰もが頷けると思います。嫌らしいんだけど。

 

 

今までCPが346のアイドルを巻き込みまくってきたことに対するカウンターを喰らった気分です。確かにこうならなければフェアではないですよね。

 

 

8/31追記)第21話次回予告で「王冠は授かるものなのでしょうか」という言葉がありましたね。Project Kroneは美城常務がお城に連れてきた女の子に王冠(完璧な舞台、完璧な人材)を1から10まで与えることにより女の子をお姫様にするプロデュースであることに対し、CINDERELLA PROJECTではプロデューサーが女の子に与えるのは1足のガラスの靴だけのプロデュースだと言えます。

 

 

新しい世界に踏み出すということ

PKに引き抜かれ、ソロ活動を始める決心をしたことでやっとアーニャの「自分」を見ることが出来そうだと感じて期待しています。今までは「ラブライカの新田美波じゃない方」程度の存在しか示せていませんでしたが、「新しいことを始めてみたい」という彼女の希望が聞けたことは大きな一歩だったと思います。

これから先、彼女はどんなアナスタシアを見せてくれるのでしょうか。

 

トライアドプリムスとしての活動も行うことになったしぶりん。加蓮の言う「新しい何か」を見つけることは果たしてできるのか。

 

 

今回、CPから引き抜かれるアイドルが出たことで、「前へと進む」ということがポジティブなことにもかかわらず不安げに描かれていました。でも、本当は前に進むということは「何が待ち受けているのか分からない闇に進む」ということでもあるのではないでしょうか。そういった本質を衝きつつ、CPにとっては大きな変化となった回でした。未央もソロ活動を開始することになったわけですが、その理由等々は次回以降のお話で語られることになるはず。

卯月がなにも答えを出せないまま二人が先に進み、一人で手をこまねいているのが見ていてつらい……ただ、他の方も仰っている通り、「がんばります」以外の返事が出来たのは大きいかなと。

 

 

そのほか

  • 不安な回でしたが、プロデューサーがいることにより一種の安定感が生まれていたような感じがします。「進みたいかどうかです。それが、どんな道であっても」「あの時の笑顔の、もう一歩先を、見つけられると思うのでしたら」など、彼の、シンデレラプロジェクトではなく、アイドル一人一人の背中を支えていたいという真摯な姿勢が伝わってくる言葉に感動しました。
  • 原紗友里の演技が凄い。しぶりんにトラプリのことを打ち明けられた時の「そんな簡単なことじゃないじゃん……!」というセリフ。焦り、怒りを感じさせる被せ方、あのシーンのどこをとってもめちゃくちゃいい演技をしていたと思います。
  • 未央の地雷踏み抜いたか! と一瞬身構えましたが、ラストの未央を見る限りではまだ大丈夫そう。それより島村さんがマズい状況か。
  • のまけ。プロデューサーは美城常務が憎いということは全くない、と言い切りました。常務も部下の仕事に対して妬むということがない人間であると思いますし、アニマスのような“黒さ”がない状態でお話が進んでいくのはある意味で爽快な感じもします。PKの女の子たちのシンデレラストーリー(ではないのか)も今回から始まったわけですが、いませんもんね、悪役。これから出てくるのかな……。
  • 8/31追記)トライアドプリムスはTriad Prims綴りのようです。訳すと「おすまし三人組」。センス良いなあ……。新曲のTrancing Pulseとイニシャルが一致しますね。

 

さいごに、Pixivに投稿されたSSをひとつ紹介しようと思います。

 

www.pixiv.net

 

2014年夏に発行された合同誌に掲載されたSSですが、設定が20話のラストと非常に近いものになっています。20話の先の、ひとつの世界線を覗くつもりで読んでみてはいかがでしょうか。

 

人が成長をするということは喜ばしいことですが、それを見守る人にはどこか一抹の寂しさを感じさせることでもあります。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第19話感想

ハムフェア2015とサマフェス大阪LVに行ってきました。後者ももちろん楽しかったのですが、ハムフェアでは三宅麻理恵さんのラジオ公録を至近で観覧出来たり、そのあとには直接ご挨拶してお話しすることが出来たりなど、非常に思い出深いものになりました。また来年も三宅さんとハムフェアでお会い出来たらなあ。

 

 

さて、前回はだりなつ回でしたが、感想を書くのが非常に難しい話でした。というのも、結局のところ私には(アニメの)多田李衣菜という女の子を好意的に見ることがますます難しくなってしまったからです。

 

 

 

 

結局「にわか」のまま終わってしまった李衣菜

それまでの多田李衣菜は、「にわか」という言葉がぴったりくるような、底の浅い女の子でした。大してよく知りもしないくせにロックが大好きだと言い、ロックを学ぶ素振りすら見せないような人間でした。木村夏樹の姿を見てギターの練習を始めたものの、この回の夏樹との会話ではまったくロックについての知識が深まっていないこと、またそういう自分を覆い隠そうとする涙ぐましい悪あがきをしていることが見て取れました。

 

 

浅はかなんですよ、結局は外的な要因でしか自分のキャラを作ることのできない人間だったんです。みくがキャラのことで悩んでいたときに、猫キャラを否定するような意見しか出せなかった。そのあとは「一人で決めろ」と言い、みくが菜々の仕事を見に行っているときにも自分はレッスン。そのあとみくが猫キャラを貫き通すと決めたときには馬鹿の一つ覚えのように「ロックだ」。木村夏樹に惚れれば仕事は上の空、相方に迷惑をかけついにみくがブチキレたら「私にとってはアスタリスクが”ロック”」。彼女が好きだという「ロック」は「自分がそう思ったらロック」という存在でしかないのでした。

 

 

登場人物一人一人が自分自身と向き合って成長してきた二期の中でも、李衣菜は確固とした答えを見つけられたわけではないと思うのです。ロックが好き、自分がロックだと思ったものがロック、じゃあ結局何がロックであなたは何を目指しているの? となってしまう訳です。それでも多分夏樹の背中を見て地味にギターが弾けるようになっていったり地味にロックの知識が増えていくんだから不愉快。

 

 

アニデレでの李衣菜は、何が好きで何を目指しているのかということが明示されなかった点が惜しかったというほかありませんでした。

 

 

李衣菜を信じ続けたみく

さて、ほかの人物にも言及してみると、まずはみく。

「嫁」という言葉がしっくりくるような言動を見せていました。李衣菜の迷走を見守りつつ、もしアスタリスクから去っていくのだとしてもそれが李衣菜のためになるというのであれば甘んじて受け入れよう、そのためにも今は最高の仕事をしたいというまっすぐな姿勢。アイドルに対する憧れ、自分の夢を追いかけることの素晴らしさをよく知っているからこそこうした行動がとれたのだと考えました。自分の相方がよりよい方向に進んでくれることを信じていたのでしょう。

ほんとうにいい子だ……。

 

後輩を諌め、道を示した夏樹

李衣菜が「にわか」だということを見抜いていてもそれを決して馬鹿にせず、同じロック好きとして対等に接してくれた夏樹。李衣菜の「ロックだと思ったものが(略)」という姿勢を評価し、李衣菜と一緒にバンドを組んでみたいという気持ちももちろんあったでしょうが、夏樹の中では李衣菜は今のユニットで活動したほうがよいと思っていたのではないでしょうか、だからこそ「一度きりの解散ライブ」という形で李衣菜と分かれたのだと思いました。この解散ライブ、李衣菜にとっては夏樹と組んだ世界線の出来事を体験させつつ、アスタリスクに対する決意を新たにさせた役割があったはず。それを狙ったのかどうかはわかりませんが、こういう場を設けたというのはひとえに夏樹の人間としての力量を示しているのではないでしょうか。

 

 

そのほか

  • TPのフラグ立ってましたねー。美嘉の発案で凛・加蓮・奈緒の三人でエボのレボを歌うというシーンがありました。膝を抱きすくめる卯月が切ない。
  • ニュージェネの三人、そしてCPの物語がひと段落しつつあるこの裏で、加蓮と奈緒の二人の物語が始まっているという二重の構造が出来ている。
  • ウサミン新曲おめでとう! アスタリスク+二人のあこがれの人、って感じのユニットですね。早く音源を手に入れたい。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第18話感想

夏コミに出展してきました。今回は一年ぶりのサークル参加だったのですが、前回の様に完売とはいかなかったものの、なかなかいい数字が出せたかなという感じ。スケジュールが本当にきっつきつだったので、次に漫画を描いて出すときはもうすこし余裕のあるスケジュールを組みたい……(1年ぶり2回目)

 

 

とはいえ、これは重要な課題で。サークルを結成して早一年、「始める」というハードルは乗り越えたのですから、これから当分は「続ける」というのがテーマになってきます。これからが肝心……。

 

 

 

さて、前回のシンデレラガールズはCI回でした。とは言っても、「とときら学園」内コーナー「あんきらンキング」の収録により杏が抜けた二人でのお仕事。杏が抜けたことによって、いままで「いいタイミングでボケたり話振ったりしてくれる」杏がどれだけトリオを引っ張ってきていた人間だったのかということが分かったのではないでしょうか。

 

 

双葉杏の天才性について。

個人的に、今回の一番の見どころはそこだったのではないかなあと。杏って頭いいじゃん! ということは1期の第9話ですでにご存じの方は多いのではないかと思いますが、今回はそういうことではなく。ただたんに「頭がいい」というだけではなく、年齢の割に物事を俯瞰した視点から冷静に見ることができる、ということです。

 

あんきらンキング収録中、楽屋で彼女は相方のきらりに問いかけるのです。

「私たちは身体的特徴を大人に面白がられて組まされている」

「それを知ったうえで、あなたは私とのお仕事を楽しめているのか」

自分たちが今置かれている状況を客観的に分析し、それを臆することなく仕事相手に伝えることができる。17歳の女の子としては驚異的な能力を持っていると言えます。まさにこういう点こそが、彼女が普段ああいった態度を取りつつもアイドルとして仕事を完璧にこなすことができるゆえんなのではないでしょうか。

 

普段から素直じゃないんですよね。今回の智絵里とかな子に対しては平気な顔をしつつも相当の心配をしていたと思いますし、先ほどの「きらりは私と仕事をしていて楽しいのか」という言葉もきらりに素直になれと言われた結果の言葉でしたし。ぐうたらなアイドルのように見えて、仕事には真摯に向き合っている。なぜ彼女が怠け者のポーズを取っているのかは、少し気になるところではあります。

 

乙女の真心

今回の仕事では、智絵里は「しっかりと仕事、そしてファンの人に向き合うこと」かな子は「気を張るのではなく、肩の力を抜いた自分でいること」を学びます。二人とも杏のいないお仕事ということですこし緊張しすぎてしまった感がありましたが、幸子から「前を見ろ。目をそらすな。前を見て進め」ということを教わり、真心を持ってお仕事に向き合えるようになったのだと思います。かな子に関しては成長というよりも、楽をすることを覚えたという感じかも?

 

ところでこの節のタイトルには「乙女の真心」と付けたわけですが、これはコスモスの花言葉。劇中では帝釈天の境内に咲いていたりします。もしかして狙ったのかなあなどと考えてしまいました。

 

プロデューサーも頑張っています

プロデューサーが杏を抜いて「必要な仕事」と言い切ったのには、やはり根拠があったからではないでしょうか。プロデューサーにとっても、CIは杏が二人を引っ張るユニットだということが分かっていたため、こうした仕事を取ってきたのだと思います。アイドルのことをよく見ることが出来ているなあと感心しました。1期前半に比べると段違いの成長です。このあたりも美城常務に評価されているポイントなのではないでしょうか。

 

カメラワーク

KBYDを下からアオるカットや帝釈天を斜めにフレーミングするカットなど、今回はカメラワークが秀逸でした。このあたりは絵コンテ担当の腕が出るのかしら。どうやら1期の蘭子回と同じ方が担当しているよう。そちら方面の人物に関してはあまり知識がなかったので、これから勉強していきたい。

 

柴又ロケ前半の切子工房内の色使いと、ロケ再開時の工房内の色使いが全く異なっていたのが印象的でした。リアルではないのかもしれませんが、あれは智絵里とかな子の「見えている世界」の色をよく表しているなあと感じます。特に終盤の、色鮮やかな切子細工が次々に映し出される描写は素敵でしたね。実は昨日、取材協力をされた江戸切子おじまさんに行ってきたのですが、工房内のあるカットなんかは実際の工場の風景から作られていました。そちらの様子はまた別記事で。

 

その他こまごましたこと。

  • 奏・フレちゃん・周子で新ユニットが結成されたようですね。こちらは本編でもあまり触れられていないユニットですし、常務の仕事だと考えるのが妥当かと思われます。ゆくゆくはライバルユニットになるかも……?
  • 奈緒・加蓮の二人はCP側につくのでしょうか、未央が「いっしょにやろうよ!」と声をかけていましたね。トラプリがどうなるのかはまだ分かりません。
  • 杏ときらりの対比。大きなブーツと小さなズック、大きなカバンと小さなポシェットなどの対比でふたりの違いを表している演出が素敵でした。持ち物で人間性を出そうとするのはズルい。すき。惚れる。
  • 江戸切子の紋様、色、すべて細かく再現されていたのがすごい。今回の話を作るためのロケは相当大変だったのでは。

 

とりあえず18話に関してはここまで。ストーリーを順をおって書くのもしんどいので今回は要点だけをピックアップする形にしてみました。次回からもこんな感じで行こうかな。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第17話感想

サマフェス舞浜LVに行ってきました。当初は「トークもあるよ!」みたいな話を聞いてちょっとどうなるのか予想が付かずにどきどきしていたのですが、いざ終わってみれば非常に楽しい公演でした。アニメの内容とリンクしていたのが良かったですね。あと三宅麻理恵さんがステージに立ってるのを初めて生(放送)で見れた。

 

 

そのさいに、次回のアニメは莉嘉とみりあと美嘉の話だよー、という予告、そして声優陣のお話を聞いてから期待していたのですが、今回も非常に良い回だったと思います。

 

 

今回は美嘉が路線変更を迫られていましたね。ギャルから大人の女性へのイメージチェンジが図られていました。美嘉の担当Pも常務には逆らえないのですね……。やはり武内Pは346の社員の中でも異色の人物なのかもしれません。まあ「邪魔はしないが支援もしない」というお墨付きをもらっているからというのもあります。

 

 

莉嘉は新番組『とときら学園』に出演する際、園児服を着させられることになってしまいます。大人に憧れる彼女にとっては屈辱的な出来事でしょう。

 

 

みりあはキャラソンCDでも言及されていた、妹の件で悩みを抱えています。母親が妹にかかりきりで、さみしさを感じている様子。

 

 

三人ともどこかこころにもやもやを抱えています。ただここで僕が一番感心したのは、莉嘉に関してでした。1期の様子から莉嘉はもうすこし(性格的に)幼いイメージがあったのですが、プロデューサーとの電話では自分の悩みについて黙っていたり、それでも家に帰って美嘉と話しているときやきらり達に心配されたときにはきちんと吐き出せるというような、切り替えがしっかりできる女の子になっていました。これはすごい進歩かなと。

 

 

対して美嘉は、そんな妹に厳しい言葉を投げつけてしまいます。好きな洋服が着たいだけならアイドルなんてやるな。たしかにこれは正論かもしれませんし、路線変更を迫られた美嘉にとっては自分を納得させるために必要な言葉だったのかもしれません。莉嘉に対して言った、というよりかは自分に対して言った言葉だったのでは。

 

 

この一件で城ヶ崎姉妹はお互いに気まずい空気になってしまいます。リハの際の様子を見て、莉嘉が悩みを抱えていることを察したきらりは莉嘉に話を聞きます。

 

 

その場に偶然居合わせた杏は「何を着たって自分は自分じゃん」と言いますが、この言葉が莉嘉を動かします。

 

 

一方そのころ、美嘉とみりあは悩みを抱える者同士でお出かけ。お互いの悩みを打ち明け、「お姉ちゃんってたいへんだよね」と一言。この後、みりあが美嘉を抱きしめ慰め、美嘉は涙をぽろぽろと零すというシーンがあるのですが、ここには少し違和感を感じてしまいました。いやシーンとしてはすごく良かったんだけど、みりあちゃんってそんなに大人だったか? と。もしこれがみりあちゃんなのだったら、今まで僕はみりあちゃんをもっと幼い人間だと見ていたということになります。それともみりあも莉嘉と同じように成長したということなのでしょうか。

 

 

その違和感があっても尚素敵なシーンだとは思いました。今までCPの先輩、みんなのお姉ちゃんだった美嘉の涙を描くのは結構大変なことだったはずですが、美嘉の魅力ってやっぱりそういうところにもあるんじゃないかなあと。完全無欠、カリスマ美少女JKモデルに見えて、あんがい簡単に素が出ちゃうこともある。そんな女の子。みんなの前で泣かせることはできない、じゃあ誰の前でなら緩んでしまうのかということを考えるとお互い姉同士のみりあがまさにその人としてふさわしい。

 

 

違和感があると書きましたが、美嘉も僕と同じようにみりあをもっと幼い存在として見ていたんじゃないでしょうか。ベンチに座っているみりあに声をかける時はあくまで「先輩」といった感じでしたが、最後にまた二人でベンチに座っているときは「おねえちゃん同士」という対等な関係になっていた美嘉でした。きっと彼女も驚いているはず。驚いて、ふと零してしまった。

 

 

さて、城ヶ崎姉妹、そしてみりあがそれぞれの答えを出し、話は終盤へ。どんな衣装を着せられても自分が自分らしくあること、それが一番大事だということに気が付いた莉嘉は、収録本番に姉を招待します。

 

 

本番では園児服を着つつも、いつもの自分の言葉で自己紹介をする莉嘉がそこにいました。その姿を見た美嘉もまた、「何を着たって自分は自分じゃん」というメッセージを言外に感じ取ったのではないでしょうか。今までは莉嘉が美嘉の背中を追いかけて前に進んできましたが、ここで美嘉は莉嘉から大切なことを学びました。

 

 

そして美嘉が臨んだ写真撮影。大人の女性の衣装を着つつも、ギャルふうのポーズをとる美嘉。マネージャー(?)は美嘉を注意しますが、現場のカメラマンは彼女の中に光るものを見つけた様子。その仕事を、美嘉は自分を曲げずに成功させました。

また、みりあは家庭で感じていたさみしさを乗り越えた様子でした。

 

 

 

 

 

今回の主役の3人には「悩みを相談できる人」「悩みを共有できる人」がいました。両方とも大切な存在だと思います。正直僕はこの回を見て、中盤の(問題が解決していない段階の)時点でものすごく安心しました。ああ、美嘉にも莉嘉にもみりあにも、悩み事を聞いてくれる人がいるんだ、よかったなあ、と。CPやその周りの人間同士がこういう関係を築いているのなら、今は辛い状況だけれど、それでもやっていけそうだ。そういう確信が持てました。

 

 

今回で3人が対等な位置に肩を並べたかなという感じがします。これからもお互いにいい影響を与えたり、助け合ったりしていける関係が続くといいですね。

 

 

 

 

自分が自分であるということ。自分を大切にするということ。

15話の楓回・16話のウサミン回でも一貫して語られてきたメッセージです。今後も、シンデレラ二期という物語を貫く背骨としてキーワードになる言葉なのではないでしょうか。

 

 

 

次回は「ほんの少しの勇気があなたの道を示す」。友人たちとは「智絵里回では!?」という話をしていましたが、次回予告ムービーが上がるまで何とも言えませんね……

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第16話感想

月末ガチャ、ついにウサミンが来てしまいました。しかもスク水。自分にとってはのどから手が出るほど欲しいカードだったのですが30%すら引けずあえなく撃沈。復刻で頑張ります……

 

 

さて、月末ガチャがアニメに合わせたのかどうかはわかりませんが、今回はウサミン回でしたね。ガチャのショックから立ち上がる間もなく始まってしまいましたが、前回に引き続き今回も予想を大きく超えた良作だったと思います。

 

 

さて、冒頭では再び美城常務が登場。どうやら前回の最後でプロデューサーが提案した「舞踏会」は受理された(というかノータッチを決め込まれた)ようですね。どうやらこの常務、徹底的な成果主義の持ち主の模様。登場時からの発言を振り返ってみると、NGの三人やプロデューサーに向けて、能力を評価するような発言もありますね。舞踏会が成功すればCP存続の道も開ける、はず。

 

 

「みくたちも企画を提案してもいいの?」

「もちろんです。一緒に考えましょう」

 

「一緒に」という言葉がとても暖かく響きました。以前とは違い、みんなで歩んでいくんですね。

 

 

かたや現場では例の事件ぶりに前川みく安部菜々が再会。みくは、自分の信じたキャラクターをあくまで貫き通し、努力を忘れない菜々の姿勢に感動し、彼女にあこがれていることを打ち明けます。帰路では得意げな菜々さん。かわいい。

 

 

ですがこの後、いわゆる「個性派アイドル」として知られる上田鈴帆、難波笑美、堀裕子、市原仁奈、浜口あやめ、上条春菜、脇山珠美、そして安部菜々の8名に対し路線変更を迫る上層部。菜々は持ちコーナーを降板させられることに。

 

端的に言えば、各人がそれまで売りにしてきた「キャラ」を捨てるように言われた、ということです。

 

 

これは他部署での出来事でしたが、この件に関する一悶着を耳にした多田李衣菜は不安を抱えながらCPの面々に会い、その中でも特に「キャラで売っている」相方の前川みくを問い詰めます。「猫の他にはないのか」「かわいさにキャラは必要なのか」と。

 

菜々には母親から夢を諦めて実家に戻るように留守番電話が入っていました。

 

 

後半では、菜々の仕事をみくが見学しに行きます。

 

菜々が会社の方針に従い、今回の仕事にはウサミンキャラを捨てて臨むことを知ったみくは

「ナナちゃん、ウサミンやめちゃうの?」

「誰かに言われたからやめるって、ナナちゃんにとってのウサミンってその程度のものなの!?」

と菜々を叱責。猫キャラを貫き通してきたからこそ、そしてウサミンに憧れているからこその厳しい言葉が飛び出しました。ライブやデレラジAでも触れられていましたが、印象的なセリフでした。

 

 

結局イベントにはウサミンではなく安部菜々としてステージに立つわけですが、盛り上がりは微妙。そんな中で、客席からみくがウサミンコールを始めます。最初は驚く菜々でしたが、ついに意を決してうさみみをつけてトーク。イベントは成功裏に終わりました。

 

 

終盤では、前半に出てきた8人もCPが巻き込んでプロデュースしていくことに。人数も増えて、ますますにぎやかになる二期のこれからが楽しみになる終わり方でした。

 

菜々さんがこれからも出てくれるらしいのでうれしいです……。

 

 

 

さて、やはり今回は397デビュー! の二人のやりとりが見どころでしたね。

 

母親からあのような電話が掛かってくることからも、おそらくこれまで菜々の仕事を本当に理解し、認めてくれる人はいなかったのではないでしょうか。そういった状況の中でもそのキャラを貫き通していけるのは彼女の強さです。いや、ギャグっぽく「花嫁修業」なんてセリフが出てきましたけど、あれって結構残酷な描写だったなあと思うんですよね……。

 

おそらく菜々のキャラを(商売上だけれども)認めてくれたただ一つの存在としての「346プロダクション」からキャラを捨てろと言われてしまい、最後の支えが折れてしまった。そんな中で、みくは心から菜々のやりかたを認め、憧れていると言ってくれたこと。そして、舞台の下から背中を押してくれたこと。これは本当に嬉しかった。感謝してもしきれないくらいです。菜々P冥利に尽きます。

 

また、みくに「それでいいのか」と問いかける李衣菜も素敵でした。単なる商売相手ではなく、一人の友達のことを心配する女の子がそこにいた、僕はそう感じました。

 

 

 

 

「みくは自分を曲げないよ!」長く使われてきたセリフではありますが、今回が一番輝いていたのではないかな、と。