オタクを「外」に連れ出した女性声優

先日、雨で客が少なくて凄く暇だったので、バイト先で掃除しながら考えていたことを書いておきます。

 

僕がオタクになったのは大体小~中学生くらいの時だったと記憶していますが、そのころは特にニコニコ動画ラノベといった媒体から情報を得ていた気がします。それプラステレビアニメはハルヒとかハヤごととか。

 

当時のオタク少なくとも僕の周りの)は今のオタクとやはり毛色が違って、端的に言えばステレオタイプなオタク像に近かったのではないかな~と思い返しています。熟語で言えば「二次専」というか、「現実よりアニメの中の世界のほうが素晴らしい!」みたいな、いかにもイタいオタク。

現実世界に見切りをつけて、アニメに熱中している俺たちのほうが正しくて、現実の女なんかに現を抜かす人間は俺たちより劣っている。みたいな選民思想を持っているような。これはまあオーバーな言い方ですが、少なからずそのような考えに陥った人もいるのではないかなーと思います。

当時のラノベやアニメの中でもそういった主人公が称揚されたりといった流れもあったような覚えがあります。

ちょっと前まではアニメオタクは全体的にAKBが嫌いだったじゃないですか。今もそうですけど、アニメやラノベ原作の実写化を毛嫌いしたりとかいったこともありました。

 

とにかく3次元に対する免疫が発動した痛々しいオタクがそこには多かったような気がします。「リア充」を疎み、オタク同士のコミュニティの中で生きているオタクが殆どだった。

 

 

しかし、今になって辺りを見回すとちょっと状況は変わってきています。まず一つ挙げられるのが若手声優ブーム。椎名へきる林原めぐみ國府田マリ子、……昔から人気声優というものは存在していたと思いますが、今はその市場の規模が違うと思います。誰も彼もがアイドル化して、舞台上で歌ったり踊ったりが当たり前になりつつある。

そんな中で、オタク自身はとっくに「二次専」から脱しているのではないでしょうか。

女性声優に憧れを抱き、好意を寄せ、応援をするオタク達はもはや二次専とは呼べないと思いますし、そして一部の領域では女性声優がアイドル化することにより本来のアイドルとの境界が限りなく薄く(そして部分によってはダブって)なっていることもまた現実であり、以前のようにAKBを目の敵にする、という風潮もだいぶ薄まっている気がします。声優ではなくアイドルがアニメの主題歌を歌ったり(A応P、Luce Twinkle Wink☆等)、アイドルがアニメに声を当てたり(夢色アドレセンスの荻野可鈴)しているということも事実であります。

 

 

近年の声優ブームの功績として、これらの事象に表されるように「オタクを外に連れ出した」ことが挙げられるのではないでしょうか。恋慕や憧れの対象が3次元女性に移ったことにより、「自分の外見に気を遣う」流れもまた強くなったような気がします。

その結果、例えば現場で見つけたダサい・子供っぽい服装をしたオタクをTwitterで晒したりネタにしたり……ということも行われたり(僕も面白がっている人なのでここではその是非は論じません)しているのは面白いですよね。ちょっと前まではオタクといえば全員ウンチみたいなものだったのに、その中での格差が目に見える形になってくる。

 

もちろん、声優ブームというもの自体オタクの中ではほんの一つの流れなのかもしれませんが、その中では着実にオタクの社会性の変化が出ているのではないかということを考えています。

 

すごく抽象的な文章ですが、最近僕が考えたことを記しておきました。