僕が1年前、3rdライブツアー千秋楽の幕張イベントホールで「765プロの未来はここにある」という言葉を聞いた時、端的に言えば憤慨したことを覚えています。ASのメンバーが誰一人いないステージで765プロ全体の未来を語るとは何事かと、怒り心頭だったわけです。同じ感情を覚えた人は少なくないだろうとも思っていました。
しかしその怒りとも違和感ともとれるような複雑な気持ちは、先日の武道館での3日間の公演を観に行くことにより完全に解消されました。その辺の話題と、武道館ライブに関して考えたことを今回は書いていこうと思います。
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1日目に感じた「物足りなさ」
武道館ライブの初日を見た限りでは、僕はいまいちこのライブを通して企画者が伝えたいメッセージがよく分かりませんでした。確かに、今までよりもパフォーマンスは数段良くなっている。
けれども、ソロ曲がほぼ出ていない分新曲も少なく、目新しい要素が殆ど見当たらないことから、むしろ3rdツアーの方が見ていて楽しかったとすら感じました。
前回は「ミリオンライブの37人全員でツアーのバトンを回していく」っていうストーリーが共感を得た、ということは共通認識でいいと思ってるんだけど、今回はあんまりライブにストーリーがない気がする。ストーリー性の部分を全部「武道館」という構造物に投げちゃってるから空虚に感じちゃうんだよな
— てっちゃん (@9skmz) 2017年3月10日
なんて感じで呟いてるように、最初は僕はライブ制作陣は「武道館」という「聖地」でライブをやる、という事実自体が価値のあることだろうと思い込んでアグラをかいてライブを作っているんじゃないか、というふうに考えていたのです。
そんなふうにあまり心に響かなかった1日目でしたが、翌日に2日目を見終わった後に考えが変わっていました。昨日と構成は変わらないライブの筈なのに、全く違うライブのように思えたのです。
なぜかと考えてみると、僕はLTFシリーズの中では02のリリイベのみ参加していたのですが、その時に見たパフォーマンスと「比べて」いたからではないかなと。あんな僻地の小さいハコで窮屈そうに披露されていたbrave HARMONYが、武道館のクソデカいステージで見てみると比べ物にならないほどカッコいい。
そこから色々と過去のイベントに関して考えるなかで、僕は一つの仮説を立てました。
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武道館は「総集編」である
初日、二日目とミリオン武道館に行って思ったけど、今回のライブは今までのミリオンライブの「総集編」って感じなんだよね。今までと全く新しいことをやるわけではなく、今までやってきたことを今まで以上の形で、また今までできなかったことをちゃんと補完するという。
— てっちゃん (@9skmz) 2017年3月12日
武道館は「総集編」なのではないか? ということです。
こう考えると1日目に感じていた物足りなさにストンと納得がいった気がしてきます。目新しいものはあまり無かったけれど、パフォーマンスだけを純粋に見れば確かに今までのどのステージよりも完成形に近く出来ていました。
ミリオンライブにとって「武道館」というのは一つの到達点です。Thank You!の歌詞にも歌われているように、今まで3年間かけて目指してきた場所です。ただ、僕はそこがゴールになってしまうことを恐れていました。もしかしたらミリオンライブはこれ以上上には行けないのかもしれない。
ですが、武道館公演はミリオンライブの今までの足跡を記録するための記念碑としてのものであり、さらにここから羽ばたいていくための足懸かりなのだ、という(根拠はありませんが)答えがここで得られたように思えました。この考えは3日目の山崎はるかさんの「プロデューサーさんから貰った曲を全部歌いきりました」というMCでさらに補強されることになるのですが、とにかくこの公演はこれからの未来、765プロの未来を示すための準備だったのではないでしょうか。
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ミリオンスターズは765プロダクションの一員である
そもそも、ミリオンは765プロのなかでの一プロジェクトとしてスタートしたものでしたが、僕はあまり765ASとの関連を見いだせずにいました。もちろんゲーム内ではメンバーがお互いにかかわりを持ち、CDではデュエット曲を歌ったりということがありましたが、リアルライブの側面において余りにもミリオンスターズとASの絡みが少なすぎるため同一の物語の上に存在しているものだとはとても思えませんでした。
しかし、先日のPミでシアター組とも一緒にイベントを打ちたい!という発言があったこと、さらに3日目に琴葉がステージに立ったことから考えが変わり始めています。
正直に言うけど僕は別に琴葉Pではないし種ちゃん推しでも無いんだけど(こういうこと言うと怒られそう)、でもステージ見てるとさ、ミリオンライブって37人の大家族だって思いませんか?
— てっちゃん (@9skmz) 2017年3月12日
このツイートの中で「大家族」という言葉を使っていますが、765プロ(とくに春香)にとっては家族感って大事なものだと思うんですよね。「みんなで」「いっしょに」やる、ということです。アニマスやムビマスではその「家族感」を軸にストーリーが展開していましたし。
この「家族感」をミリオンライブが引き継いでくれているということがとても嬉しかったんですよ。種ちゃんはステージに立てないけど、でもせめて全員で武道館のステージを踏むためにはどうしたらいいのか。と考え、あの演出があったんだと思います。それを見て僕は「なんだ、ミリオンライブにもあの雰囲気ってあるんだな」と感じました。ミリオンスターズにも765の雰囲気があるじゃん。ということです。
それともう一点。4周年記念PVが公開されていますが、その中ではASとシアター組の合同ライブが描かれていました。しかも実在の会場(SSA)で、日程やタイトルまで具体的に表現するカットが入れられていたわけです。これはASとシアター組の合同ライブをやるつもりがある、というアイマス公式の意志表明なのではないでしょうか。
PVを見て、AS・シアター組の合同ライブという765プロの未来をあんなに手が込んだアニメPVで具体的に表現してくれたことが何よりも嬉しかったです。これが1年前、幕張で言った言葉の裏付けだったのだ、ということがやっと理解できて安心しました。
765プロの未来は本当にここにあると、今なら胸を張って言えます。
この3日間で僕は765プロダクションの未来について一つの答えを貰いました。終わってみればあっという間でしたが、一つのコンテンツのライブとしてとても良いものでした。
AS至上主義の名のもとにシアター組に対して排他的なファンも見受けられますが、シアター組は765プロの一員であり、正統な後輩、そして仕事仲間として信じるに足る存在である、ということだけは言っておきたい。
手作りの「ぶどーかん」はあえて括弧で括ってひらがな表記にしてるんだから、日本武道館のことだけを指すんじゃないんだろうなぁ。「伝説の場所」っていう意味だと僕は思ってるし、そうならたとえどんな場所だって「ぶどーかん」になりえる可能性があると思う。
— てっちゃん (@9skmz) 2017年3月13日
ビートルズが「武道館」を伝説の場所にしたんだから、アイドルマスターだって次の「ぶどーかん」を作れるかもしれない。そうじゃないですかね?
— てっちゃん (@9skmz) 2017年3月13日
ASはPミ、シアター組は武道館公演を終えた今、次にあるのは更なる挑戦です。目下楽しみなのが台湾公演。765プロダクション全体で行う初めての大きなイベントです。ここでさらなる未来が示されるのではないか——僕はそう考えています。もしかしたら次のライブの発表があるかも知れません。
最後に宣伝で締めておきます。武道館に行ってちょっとでも気になっている方には是非来ていただきたいです。
それではまた。