『アイドルマスター シンデレラガールズ』第18話感想

夏コミに出展してきました。今回は一年ぶりのサークル参加だったのですが、前回の様に完売とはいかなかったものの、なかなかいい数字が出せたかなという感じ。スケジュールが本当にきっつきつだったので、次に漫画を描いて出すときはもうすこし余裕のあるスケジュールを組みたい……(1年ぶり2回目)

 

 

とはいえ、これは重要な課題で。サークルを結成して早一年、「始める」というハードルは乗り越えたのですから、これから当分は「続ける」というのがテーマになってきます。これからが肝心……。

 

 

 

さて、前回のシンデレラガールズはCI回でした。とは言っても、「とときら学園」内コーナー「あんきらンキング」の収録により杏が抜けた二人でのお仕事。杏が抜けたことによって、いままで「いいタイミングでボケたり話振ったりしてくれる」杏がどれだけトリオを引っ張ってきていた人間だったのかということが分かったのではないでしょうか。

 

 

双葉杏の天才性について。

個人的に、今回の一番の見どころはそこだったのではないかなあと。杏って頭いいじゃん! ということは1期の第9話ですでにご存じの方は多いのではないかと思いますが、今回はそういうことではなく。ただたんに「頭がいい」というだけではなく、年齢の割に物事を俯瞰した視点から冷静に見ることができる、ということです。

 

あんきらンキング収録中、楽屋で彼女は相方のきらりに問いかけるのです。

「私たちは身体的特徴を大人に面白がられて組まされている」

「それを知ったうえで、あなたは私とのお仕事を楽しめているのか」

自分たちが今置かれている状況を客観的に分析し、それを臆することなく仕事相手に伝えることができる。17歳の女の子としては驚異的な能力を持っていると言えます。まさにこういう点こそが、彼女が普段ああいった態度を取りつつもアイドルとして仕事を完璧にこなすことができるゆえんなのではないでしょうか。

 

普段から素直じゃないんですよね。今回の智絵里とかな子に対しては平気な顔をしつつも相当の心配をしていたと思いますし、先ほどの「きらりは私と仕事をしていて楽しいのか」という言葉もきらりに素直になれと言われた結果の言葉でしたし。ぐうたらなアイドルのように見えて、仕事には真摯に向き合っている。なぜ彼女が怠け者のポーズを取っているのかは、少し気になるところではあります。

 

乙女の真心

今回の仕事では、智絵里は「しっかりと仕事、そしてファンの人に向き合うこと」かな子は「気を張るのではなく、肩の力を抜いた自分でいること」を学びます。二人とも杏のいないお仕事ということですこし緊張しすぎてしまった感がありましたが、幸子から「前を見ろ。目をそらすな。前を見て進め」ということを教わり、真心を持ってお仕事に向き合えるようになったのだと思います。かな子に関しては成長というよりも、楽をすることを覚えたという感じかも?

 

ところでこの節のタイトルには「乙女の真心」と付けたわけですが、これはコスモスの花言葉。劇中では帝釈天の境内に咲いていたりします。もしかして狙ったのかなあなどと考えてしまいました。

 

プロデューサーも頑張っています

プロデューサーが杏を抜いて「必要な仕事」と言い切ったのには、やはり根拠があったからではないでしょうか。プロデューサーにとっても、CIは杏が二人を引っ張るユニットだということが分かっていたため、こうした仕事を取ってきたのだと思います。アイドルのことをよく見ることが出来ているなあと感心しました。1期前半に比べると段違いの成長です。このあたりも美城常務に評価されているポイントなのではないでしょうか。

 

カメラワーク

KBYDを下からアオるカットや帝釈天を斜めにフレーミングするカットなど、今回はカメラワークが秀逸でした。このあたりは絵コンテ担当の腕が出るのかしら。どうやら1期の蘭子回と同じ方が担当しているよう。そちら方面の人物に関してはあまり知識がなかったので、これから勉強していきたい。

 

柴又ロケ前半の切子工房内の色使いと、ロケ再開時の工房内の色使いが全く異なっていたのが印象的でした。リアルではないのかもしれませんが、あれは智絵里とかな子の「見えている世界」の色をよく表しているなあと感じます。特に終盤の、色鮮やかな切子細工が次々に映し出される描写は素敵でしたね。実は昨日、取材協力をされた江戸切子おじまさんに行ってきたのですが、工房内のあるカットなんかは実際の工場の風景から作られていました。そちらの様子はまた別記事で。

 

その他こまごましたこと。

  • 奏・フレちゃん・周子で新ユニットが結成されたようですね。こちらは本編でもあまり触れられていないユニットですし、常務の仕事だと考えるのが妥当かと思われます。ゆくゆくはライバルユニットになるかも……?
  • 奈緒・加蓮の二人はCP側につくのでしょうか、未央が「いっしょにやろうよ!」と声をかけていましたね。トラプリがどうなるのかはまだ分かりません。
  • 杏ときらりの対比。大きなブーツと小さなズック、大きなカバンと小さなポシェットなどの対比でふたりの違いを表している演出が素敵でした。持ち物で人間性を出そうとするのはズルい。すき。惚れる。
  • 江戸切子の紋様、色、すべて細かく再現されていたのがすごい。今回の話を作るためのロケは相当大変だったのでは。

 

とりあえず18話に関してはここまで。ストーリーを順をおって書くのもしんどいので今回は要点だけをピックアップする形にしてみました。次回からもこんな感じで行こうかな。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第17話感想

サマフェス舞浜LVに行ってきました。当初は「トークもあるよ!」みたいな話を聞いてちょっとどうなるのか予想が付かずにどきどきしていたのですが、いざ終わってみれば非常に楽しい公演でした。アニメの内容とリンクしていたのが良かったですね。あと三宅麻理恵さんがステージに立ってるのを初めて生(放送)で見れた。

 

 

そのさいに、次回のアニメは莉嘉とみりあと美嘉の話だよー、という予告、そして声優陣のお話を聞いてから期待していたのですが、今回も非常に良い回だったと思います。

 

 

今回は美嘉が路線変更を迫られていましたね。ギャルから大人の女性へのイメージチェンジが図られていました。美嘉の担当Pも常務には逆らえないのですね……。やはり武内Pは346の社員の中でも異色の人物なのかもしれません。まあ「邪魔はしないが支援もしない」というお墨付きをもらっているからというのもあります。

 

 

莉嘉は新番組『とときら学園』に出演する際、園児服を着させられることになってしまいます。大人に憧れる彼女にとっては屈辱的な出来事でしょう。

 

 

みりあはキャラソンCDでも言及されていた、妹の件で悩みを抱えています。母親が妹にかかりきりで、さみしさを感じている様子。

 

 

三人ともどこかこころにもやもやを抱えています。ただここで僕が一番感心したのは、莉嘉に関してでした。1期の様子から莉嘉はもうすこし(性格的に)幼いイメージがあったのですが、プロデューサーとの電話では自分の悩みについて黙っていたり、それでも家に帰って美嘉と話しているときやきらり達に心配されたときにはきちんと吐き出せるというような、切り替えがしっかりできる女の子になっていました。これはすごい進歩かなと。

 

 

対して美嘉は、そんな妹に厳しい言葉を投げつけてしまいます。好きな洋服が着たいだけならアイドルなんてやるな。たしかにこれは正論かもしれませんし、路線変更を迫られた美嘉にとっては自分を納得させるために必要な言葉だったのかもしれません。莉嘉に対して言った、というよりかは自分に対して言った言葉だったのでは。

 

 

この一件で城ヶ崎姉妹はお互いに気まずい空気になってしまいます。リハの際の様子を見て、莉嘉が悩みを抱えていることを察したきらりは莉嘉に話を聞きます。

 

 

その場に偶然居合わせた杏は「何を着たって自分は自分じゃん」と言いますが、この言葉が莉嘉を動かします。

 

 

一方そのころ、美嘉とみりあは悩みを抱える者同士でお出かけ。お互いの悩みを打ち明け、「お姉ちゃんってたいへんだよね」と一言。この後、みりあが美嘉を抱きしめ慰め、美嘉は涙をぽろぽろと零すというシーンがあるのですが、ここには少し違和感を感じてしまいました。いやシーンとしてはすごく良かったんだけど、みりあちゃんってそんなに大人だったか? と。もしこれがみりあちゃんなのだったら、今まで僕はみりあちゃんをもっと幼い人間だと見ていたということになります。それともみりあも莉嘉と同じように成長したということなのでしょうか。

 

 

その違和感があっても尚素敵なシーンだとは思いました。今までCPの先輩、みんなのお姉ちゃんだった美嘉の涙を描くのは結構大変なことだったはずですが、美嘉の魅力ってやっぱりそういうところにもあるんじゃないかなあと。完全無欠、カリスマ美少女JKモデルに見えて、あんがい簡単に素が出ちゃうこともある。そんな女の子。みんなの前で泣かせることはできない、じゃあ誰の前でなら緩んでしまうのかということを考えるとお互い姉同士のみりあがまさにその人としてふさわしい。

 

 

違和感があると書きましたが、美嘉も僕と同じようにみりあをもっと幼い存在として見ていたんじゃないでしょうか。ベンチに座っているみりあに声をかける時はあくまで「先輩」といった感じでしたが、最後にまた二人でベンチに座っているときは「おねえちゃん同士」という対等な関係になっていた美嘉でした。きっと彼女も驚いているはず。驚いて、ふと零してしまった。

 

 

さて、城ヶ崎姉妹、そしてみりあがそれぞれの答えを出し、話は終盤へ。どんな衣装を着せられても自分が自分らしくあること、それが一番大事だということに気が付いた莉嘉は、収録本番に姉を招待します。

 

 

本番では園児服を着つつも、いつもの自分の言葉で自己紹介をする莉嘉がそこにいました。その姿を見た美嘉もまた、「何を着たって自分は自分じゃん」というメッセージを言外に感じ取ったのではないでしょうか。今までは莉嘉が美嘉の背中を追いかけて前に進んできましたが、ここで美嘉は莉嘉から大切なことを学びました。

 

 

そして美嘉が臨んだ写真撮影。大人の女性の衣装を着つつも、ギャルふうのポーズをとる美嘉。マネージャー(?)は美嘉を注意しますが、現場のカメラマンは彼女の中に光るものを見つけた様子。その仕事を、美嘉は自分を曲げずに成功させました。

また、みりあは家庭で感じていたさみしさを乗り越えた様子でした。

 

 

 

 

 

今回の主役の3人には「悩みを相談できる人」「悩みを共有できる人」がいました。両方とも大切な存在だと思います。正直僕はこの回を見て、中盤の(問題が解決していない段階の)時点でものすごく安心しました。ああ、美嘉にも莉嘉にもみりあにも、悩み事を聞いてくれる人がいるんだ、よかったなあ、と。CPやその周りの人間同士がこういう関係を築いているのなら、今は辛い状況だけれど、それでもやっていけそうだ。そういう確信が持てました。

 

 

今回で3人が対等な位置に肩を並べたかなという感じがします。これからもお互いにいい影響を与えたり、助け合ったりしていける関係が続くといいですね。

 

 

 

 

自分が自分であるということ。自分を大切にするということ。

15話の楓回・16話のウサミン回でも一貫して語られてきたメッセージです。今後も、シンデレラ二期という物語を貫く背骨としてキーワードになる言葉なのではないでしょうか。

 

 

 

次回は「ほんの少しの勇気があなたの道を示す」。友人たちとは「智絵里回では!?」という話をしていましたが、次回予告ムービーが上がるまで何とも言えませんね……

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第16話感想

月末ガチャ、ついにウサミンが来てしまいました。しかもスク水。自分にとってはのどから手が出るほど欲しいカードだったのですが30%すら引けずあえなく撃沈。復刻で頑張ります……

 

 

さて、月末ガチャがアニメに合わせたのかどうかはわかりませんが、今回はウサミン回でしたね。ガチャのショックから立ち上がる間もなく始まってしまいましたが、前回に引き続き今回も予想を大きく超えた良作だったと思います。

 

 

さて、冒頭では再び美城常務が登場。どうやら前回の最後でプロデューサーが提案した「舞踏会」は受理された(というかノータッチを決め込まれた)ようですね。どうやらこの常務、徹底的な成果主義の持ち主の模様。登場時からの発言を振り返ってみると、NGの三人やプロデューサーに向けて、能力を評価するような発言もありますね。舞踏会が成功すればCP存続の道も開ける、はず。

 

 

「みくたちも企画を提案してもいいの?」

「もちろんです。一緒に考えましょう」

 

「一緒に」という言葉がとても暖かく響きました。以前とは違い、みんなで歩んでいくんですね。

 

 

かたや現場では例の事件ぶりに前川みく安部菜々が再会。みくは、自分の信じたキャラクターをあくまで貫き通し、努力を忘れない菜々の姿勢に感動し、彼女にあこがれていることを打ち明けます。帰路では得意げな菜々さん。かわいい。

 

 

ですがこの後、いわゆる「個性派アイドル」として知られる上田鈴帆、難波笑美、堀裕子、市原仁奈、浜口あやめ、上条春菜、脇山珠美、そして安部菜々の8名に対し路線変更を迫る上層部。菜々は持ちコーナーを降板させられることに。

 

端的に言えば、各人がそれまで売りにしてきた「キャラ」を捨てるように言われた、ということです。

 

 

これは他部署での出来事でしたが、この件に関する一悶着を耳にした多田李衣菜は不安を抱えながらCPの面々に会い、その中でも特に「キャラで売っている」相方の前川みくを問い詰めます。「猫の他にはないのか」「かわいさにキャラは必要なのか」と。

 

菜々には母親から夢を諦めて実家に戻るように留守番電話が入っていました。

 

 

後半では、菜々の仕事をみくが見学しに行きます。

 

菜々が会社の方針に従い、今回の仕事にはウサミンキャラを捨てて臨むことを知ったみくは

「ナナちゃん、ウサミンやめちゃうの?」

「誰かに言われたからやめるって、ナナちゃんにとってのウサミンってその程度のものなの!?」

と菜々を叱責。猫キャラを貫き通してきたからこそ、そしてウサミンに憧れているからこその厳しい言葉が飛び出しました。ライブやデレラジAでも触れられていましたが、印象的なセリフでした。

 

 

結局イベントにはウサミンではなく安部菜々としてステージに立つわけですが、盛り上がりは微妙。そんな中で、客席からみくがウサミンコールを始めます。最初は驚く菜々でしたが、ついに意を決してうさみみをつけてトーク。イベントは成功裏に終わりました。

 

 

終盤では、前半に出てきた8人もCPが巻き込んでプロデュースしていくことに。人数も増えて、ますますにぎやかになる二期のこれからが楽しみになる終わり方でした。

 

菜々さんがこれからも出てくれるらしいのでうれしいです……。

 

 

 

さて、やはり今回は397デビュー! の二人のやりとりが見どころでしたね。

 

母親からあのような電話が掛かってくることからも、おそらくこれまで菜々の仕事を本当に理解し、認めてくれる人はいなかったのではないでしょうか。そういった状況の中でもそのキャラを貫き通していけるのは彼女の強さです。いや、ギャグっぽく「花嫁修業」なんてセリフが出てきましたけど、あれって結構残酷な描写だったなあと思うんですよね……。

 

おそらく菜々のキャラを(商売上だけれども)認めてくれたただ一つの存在としての「346プロダクション」からキャラを捨てろと言われてしまい、最後の支えが折れてしまった。そんな中で、みくは心から菜々のやりかたを認め、憧れていると言ってくれたこと。そして、舞台の下から背中を押してくれたこと。これは本当に嬉しかった。感謝してもしきれないくらいです。菜々P冥利に尽きます。

 

また、みくに「それでいいのか」と問いかける李衣菜も素敵でした。単なる商売相手ではなく、一人の友達のことを心配する女の子がそこにいた、僕はそう感じました。

 

 

 

 

「みくは自分を曲げないよ!」長く使われてきたセリフではありますが、今回が一番輝いていたのではないかな、と。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』第15話感想

前回のラストで衝撃的な発言をした美城常務。現行のプロジェクトすべてを白紙に戻し、今回では彼女の独断でアイドル事業を再編成すると明らかにしました。

 

 

前回の放映が終了した後、ネットでは「原作ユニットが日の目を!?」などという声が多数上がっていましたが、僕は少し性急かなと思わざるを得ませんでした。もちろん李衣菜はなつきちと組ませるべきだし、そのほかにも(397Cherryとか)推したいアレはあったりするんですけれども、それ以前に美城常務が何を考えて何を根拠にそのような発言・行動をしているのかがさっぱりわからなかったというのが主な理由です。

 

僕にはあのおばさんがあまり悪い人には見えないんですよね。いや嫌な人ではあるかもしれないですけど。彼女には彼女なりの考え、ポリシーがあって論理的思考に基づいてああいった行動に出たと信じているのですが、いかんせん今のところそれを証明する材料が皆無なのです。15話でも楓が選ばれましたが、その基準もいまいちわかりません。ただ何となく。あれだけの権力を持っている人なのだから、剛腕を持ち合わせているはずだと。

 

どうせ縁故就職組だろ

 

 

 

さてさて、常務については置いておくとして、今回の内容について触れて行きたいと思います。

 

 

今回、マジ泣きしてました。

 

 

ほんとうに良かったと思います。まさか2期2話目でここまで泣ける話を持ってくるとは思いませんでした。

 

今回、CPは解散させられ、例の部屋からも追い出され、半地下のような「資料室」に閉じ込められるような形となったメンバー。

 

そこは埃臭く、薄暗く……彼女たちはそう、まさに「灰かぶりの姫」という状態になっていました。

 

今まで各ユニットのデビュー、サマフェスの成功と快調に走っていたCPメンバーですが、ここで思わぬ壁にぶつかることになります。

 

あるものは憤り、あるものは途方に暮れ。ただ、彼女たち全員がいちど立ち止まり、今までのことを振り返る機会になったのではないでしょうか。「企画書を書く」というのも、以前の出来事を思い出させますよね。(ただ、島村さんに関しては不安な面もあったり)

 

 

 

ただ、前だけを向いて走るだけじゃダメなんです。

自分の歩いてきた道を、振り返ってこそ自分がやってきたことに自信を持てる。

 

 

そう、はっきりと教えてくれたのが後半パートでした。

 

美城常務のオファーを断り、ソ○マップでのライブに参加することにした高垣楓は、NG、もしくはCPのメンバーにみずからの行動をもって教えたのです。

 

今まで、CPのメンバーは「始めること」「変わること」「変わろうとすること」を目標にして活動をしてきました。

 

ただ、楓はその一歩先からみんなを振り返って言ったのです。

 

「変わらないことも、大切」なんだと。

「自分らしくあることも、大切」なんだと。

 

最初は、周囲の人々はダジャレを飛ばしてのらりくらりと質問をかわす楓の行動を誰一人として理解できなかったはずですが、その人々はあのライブで彼女のことを理解し、またCPメンバーは、自分たちが明日から何をすべきかということにつなげていけたのではないでしょうか。

 

 

 

前半は非常に消化器系に悪い展開・演出でしたが、後半で一気に雲が開けた感じがします。

 

そしてラストの「舞踏会(仮)」。どのような企画なのか、またはたしてその企画が受理されるのかということも気になります。

 

 

 

 

さて、次回はウサミン回……かな!?

僕とアイドルマスターのこれまでと、これから。10周年ライブに寄せて

10年。それだけの間、愛され続けたコンテンツがいくつあるでしょうか。

 

それだけの間続く作品が生まれるのは、当たり前ですが稀なことです。

 

作り手、ファン、その両サイドが全力で作品に向き合わないと、出来ないことです。

 

 

ただ、僕にはアイマスの10年はほとんどわかりません。

 

その中の8年間は、僕はアイマスを知らなかったからです。

 

 

今から考えてみれば、どうしてもっと早くアイマスと出会えなかったのか、

もし出会えていたら、今まだ出会えていないものに出会えていたり、

何かもっとずっと得られるものがあったり、

そういうことがあったのではないかと思い、悔しくなります。

地団駄を踏んでしまうくらい。

 

 

僕が歩いてきた道には何度もアイマスを知る機会が転がっていたのにもかかわらず、それを手に取ることはあったのに、なんども足元に置き直して通り過ぎてしまっていたということが分かるだけ辛いのです。

 

初めてアイマスに触れたのは小学生のころ、おそらくニコ動で『魔法をかけて!』と『エージェント夜を往く』の二曲を聴いたときでした。

 

当時曲に感動した僕は近所のレンタルショップでCD(おそらくMASTERWORKシリーズ)を借りてきて、そこで聴いていたことを思い出します。

 

ただそれはその時だけで、僕とアイマスのつながりは2011年のアニメ放映まで全くなくなります。

 

アニマスをリアルタイムで視聴していたことは覚えているのですが、その時に何を考えたかとか、どういう感想を持っていたのかとか、そういうことが一切わからないのです。そこでも僕はアイマスにハマることがありませんでした。

 

やっとそのあと、高校も二年生になったころ。友人の勧めでアニマスを再視聴してみたところ、「こんなにも面白かったのか!」ということに気づき、ゲームを購入したり、アケマスを始めたりといった形でアイマスとのお付き合いが始まったのです。

 

あまりにも遅すぎたのではないかと思うことはあります。それほど、自分の好きな世界がそこには広がっていたのです。

 

ただ、自分はアイマスの始まりや、アイマスの最初の10年に付き合うには遅すぎた出会いをしたのかもしれませんが、アイマスの10周年、またアイマスのこれからの10年に付き合うのには最高の出会いのタイミングだったのかなあと思います。

 

ライブを見に行くことができたのですから。僕は、アイマスの10年間をすべて見てくることはできませんでしたが、その厚さや、重さや、そこに込められたいろいろな人の思いに触れることはできたと思います。

 

僕が触れえなかった、アイマスが10年間掛けて築き上げてきたもの。その一端、そのほんの欠片には、確かに触れることができたのではないかと。

 

 

 

 

1日目の1曲目。『THE IDOLM@STER』が流れ始めたときのことは鮮明に覚えています。

まだ日の光が入り、明るいドーム内でも燦然と輝くケミカルライトやサインライトの光。

あれだけの回数聴いたはずなのに、今まで聞いたことがないような響きを持って耳に流れ込んでくるイントロ。

目の前にいたのは、――そう、忘れもしません。1塁側スタンドに立つ僕の目の前に、満面の笑顔で手を振る浅倉杏美さんがいたんです。

これまで映像でしか見ることのできなかったライブ会場の光景が、自分の周りいっぱいに広がっていました。

 

受験などに阻まれながらも、やっとここまで自分が追いつけたこと。アイマスが10年かけてこれだけのファンに愛されているものだということを自分の肌で感じ、反芻していると、涙がぼろぼろとこぼれてきました。

 

あの時が一番泣いていたかもしれません。

 

 

僕の担当アイドルは秋月律子さんです。今回声優の若林直美さんが参加されていなかったために、他のアイドルの曲を聴いていたわけですが、ほんとうに他のプロデューサーみんなが羨ましくなるセトリでした。

 

『Pon De Beach』。水鉄砲を使った夏らしい演出が、楽しい曲を盛り上げていました。MA3の新曲だったので、今回かなり期待していた曲です。みんなでコールを入れるパートが増やされていたのもよかった。

 

『ALRIGHT*』を歌う前に、全力で「いぇーーーーーーーい!」と叫んだあずみん。アニメの第3話は秀逸な出来で、大好きな回でした。

 

『太陽のジェラシー』では、「マーメイド!」とピッタリ息の合ったコールが入るのがすごいなあと。最初期の曲ですよね。

 

『ID:[OL]』はちょっとびっくり。これも僕が小学生のころに聴いたCDの中に入っていた一曲なので、思い入れがあります。やってくれてありがたい。

 

「真実の赤」で知られる『Rebellion』。これも今まで映像でしか見たことのなかったサイリウムチェンジが目の前で、38000人が一気に浅葱色から赤のライトに持ち替える様子を見ることができて本当に良かったです。

 

僕が初めてプレイして、プロデュースを完了させたタイトル『アイドルマスターSP』のテーマ曲だった『オーバーマスター』。僕が初めてプロデュースしたのは春香だったんですが、その春香がIU決勝前に脱走し、公園で一人でこの曲を歌っていたことが記憶に残っており、個人的に一押しの曲でした。二番の隠しメッセージも含め、二日間両日やるのにピッタリな曲だったのではないかなと。

この曲では欠席のあっきーに代わりあずみんが歌っていましたが、こういうかっこいい曲を歌うあずみんもいいですよね。ちょっと前までは可愛い曲が多かった印象でしたが。LTHなどでもかっこいい曲を歌いこなしてきた雪歩がめちゃめちゃいい。

 

 こちらもMA3新曲の『細氷』。せりあがる舞台、スモークに投影されるミンゴスの影、そしてあの声量。演出、音楽、歌唱すべてに圧倒される一曲でした。『蒼い鳥』の旋律も絡め、しかし明るい曲調にまとめたこの曲は、新しい千早の代表曲になり得る曲だったのではないでしょうか。

 

『Destiny』は予習していけなかったのが残念でしたが、改めて聞いてみて、やはりこれも10年という節目、そしてその先に進んでいくときにぴったりな曲でした。

 

1日目の終わりは声をすっかり嗄らしてしまっていた山崎はるかさんが印象に残っています。もともとデュンヌだった彼女は、このライブに人一倍思うところがあったのではないでしょうか。

 

 

 

2日目、開演前に『メルヘンチェンジ!』が流れていたのが嬉しかったですね。シンデレラでは安部菜々担当なのですが、今回は三宅麻理恵さんがいらっしゃらないので聴けないものと思い込んでいました。周りのプロデューサーもコールを入れてくれていました。

 

『READY!!』『お願い!シンデレラ』『Thank you!』『THE IDOLM@STER』『Welcome!!』『キラメキラリ』の怒涛のセトリ。このあたりはテンションが上がりっぱなしでしたね。UOは両日合わせて50本持ち込んでいたのですが、それでは全然歯が立たないなあと思ったのがこのあたり。

 

『できたてEvo! Revo! Generation!』が生で聴けたのは嬉しかった。アニメの内容を見ていると、この曲はニュージェネにとっては挫折の曲でもあり、また復活の曲でもある大切な曲ですから。

 

『ジレるハートに火をつけて』は前振りが良かったですねー。予想してなかった曲のうちの一つではありますが、これも好きなナンバー。あいみんが歌ってくれてよかった……!

 

『Orange Sapphire』はめちゃくちゃ盛り上がりましたね。この曲以前にもトロッコを使った演出が多かった二日目ですが、スタンド席でもすぐそこ、もう手が届きそうな距離に出演者の方々がいるというのがめちゃくちゃ嬉しかった。

 

『ØωØver!!』ではにゃーにゃーコール。これも元気な曲で聴いていて非常に楽しい曲でしたね。おねだりShall We~?でもそうですが、みくの曲はほかの子たちと違って「にゃー!」ができるので一味違って面白いですよね。

 

そして満を持しての『GOIN!!!!』。全力で、体の芯から声を出し、叫び、UOを折り、ここで燃え尽きそうになります。まだまだあるのに飛ばし過ぎじゃない!? と感じたのは僕だけではないはず。

 

メドレーパートに入って『あんずのうた』。まさかいぶちゃんとあずみんが応援に駆け付けるとは思いませんでした……。オリジナル歌詞ではなく、雪歩Ver.に変わっていたセリフパートが良かった。なんだか杏が可奈と雪歩を悪堕ちさせてるみたい。

 

『フローズン・ワード』『Believe my change!』『ライアー・ルージュ』の三曲はかっこよかった。これも聴きたいなあと思っていた曲たちなのでイントロが流れた瞬間びびっときました。

 

『Twilight Sky』では青木瑠璃子さんとあいみんがデュエットしてくれました。なつきちとのカップリングが期待されているだりーなですが、そうか……ジュりーなというのもあるのか……!!!!! と震えながら聴いていました。りーなはいい先輩を二人も持って幸せ者です……。

 

 

偶然この記事を書いている途中に見つけたツイートですが、これです……! これなんですよ……。世界一、宇宙一ロックでした。

 

『いっしょ』ではセリフも完璧にやってくれたのが胸に来ました。それからのジブリオバマス。ジェットコースターのようなセットリストでしたね……。

 

そういえばオバマス、基本的にはUO曲だと言われているのですが、各アイドルの色を出す人もそれなりにいて、そのバランスがすごくきれいだったんですよね……。浅葱色や臙脂の海の中に輝くUOと白。一面UOという曲も綺麗ですが、こういう綺麗さもあるんだなあと。

 

『relations』『Blue Symphony』『Marionetteは眠らない』『Memories』『Nation Blue』のキレッキレさ。特にMemoriesのラストで夕陽に灼かれた空を映したカメラマンも、その映像を拾ったスイッチャ―にも脱帽ですよ。西武ドームはドームじゃない! と言っていた私も、これは西武ドームでしかできないことだなあと驚いてしまいました。

 

『オルゴールの小箱』は少し意外なところから。これもやってくれて嬉しかった曲の一つです。『瞳の中のシリウス』ではあいみんの歌のうまさを実感。

 

二日目の大一番はやはり『my song』でしょうか。6人がステージ上に並び、このメンバーが、この6人が、10年やってきた仲間なんだよ、と。

 

 

 

10年付き合う人間が、人生にどれくらいいるでしょう。幼稚園3年、小学校6年を合わせてもまだ9年。中学校3年、高校3年、大学4年。なかなか10年も付き合う人間というのは、多くはないのではないでしょうか。そう考えて、改めて壇上の6人を見てみると、やっぱりすごいことなんだなあと。ここに来られなかったあと2人も含めて、8人の人間が10年同じ仕事を協力してやっているというのは、本当に。

 

『my song』を歌い終わったあと、「ここからは最終ブロックです」と言われたとき。観客は昨日の「えー!?」ではなく、拍手で迎えていましたよね。どのプロデューサーも 、心から拍手を送っていたと思います。素晴らしかった。

 

そして、待望のミリオン新曲『Dreaming!』。初見の曲であるにもかかわらず、だんだんとコールが出来上がり、大サビでは完璧と言ってもいいほどそろっていたのが印象的でした。

 

アンコールでは1曲目に『カーテンコール』を歌ってくれましたが、この曲が今日いちばんで嬉しかったかもしれないですね。9thですでに歌っている曲なので、今回はあきらめ気味だったのですが……。

 

聞く度に涙が溢れてきそうになるくらい克明に瞼の裏に風景を投射してくるような曲で。そんな曲を西武ドームで聴きたいなあ聴きたいなあと思って来ていたので。まさかとは思ったんですけど、繪里子さんが曲名を告げた時に頭が真っ白になりましたね。

 

朝も宿泊先のお家で男二人で聴いていた曲が……ドームの空気をいっぱいに震わせて流れてくるんですよ……! こんなに最高なことってありますか……!?

 

ケミカルライトの波間に、たしかに、そこには何かがあって、僕達はそれを抱えて明日からの日々を生きていくんだ。そう思いながら瞳を潤ませてしまっていました。

 

大ラスは10周年テーマソング『アイ MUST GO!』。これからの未来、どうなっていくんだろうか。未来に思いをはせ、希望をつなげる、まさに10周年にふさわしい曲です。

 

I must go, アイマスとGO!

 

 

 

今回のライブは、アイマス歴の長短に関わらず誰もが10年という月日を経てここにたどり着いた作品の厚みを感じ取れるものだったのではないでしょうか。2年しか作品に触れられていないこの僕でも、たしかに圧倒してくるものがありました。

 

このライブに立ち会えたこと、10周年という節目をみんなでお祝いできたこと、それだけは感謝してもしきれません。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

あのときはいつまでも続くように感じられたライブも、終わってみれば一瞬の出来事だったように思えます。

 

それでも、まだまだ道は続いています。

 

これからは、出会えなかった8年を悔やむよりも、これからの付き合いを、もっとずっと濃いものにしていきたい。

 

そう思わせてくれたライブでした。

 

 

 

アイマス最高!